第二の地球はあるか?

2014-08-17

シータ

第二の地球1

太陽系第三惑星、地球。そこは生命が育つことが可能だった星。しかし、そのような星は宇宙の中に地球一つしかないのであろうか。それとも、どこかに「第二の地球」があって、そこには地球のように生命が住んでいるのだろうか[1]

 

「宇宙人っているのかな?」というのは、子供のころに誰しも一度は思うことでしょう[2]。こんなに広い宇宙に、生命のいる星が地球だけしかないなんてことはないに違いない!きっと遠くの星では宇宙人が同じように「宇宙にいる生命は僕たちだけなのかな」と考えているんだろうな、なんて考えたことがあるかもしれません。

宇宙人

しかしそもそもの話として、宇宙人がいるためには惑星が存在しなければなりません(いくらなんでも太陽のように燃えている星に生物が住めるとは考えにくいですから)。太陽系の他の惑星はいろいろ調べてみて、少なくとも「現在」「人間のような生命が」いる可能性は非常に低そう[3]だということが分かりました。とすると、太陽系の外にある惑星を探す必要があります。

しかし、です。本当に太陽系の外、他の星の周りには惑星があるのでしょうか。「あるに決まってるじゃん!」と思う人がほとんどでしょう。実際その通りで、太陽系の外にも惑星はちゃんと存在しています。ではここで問題です。太陽系の外にある惑星が最初に観測されたのはいつでしょうか?

 

第二の地球2

「ずっと昔から人類は星を眺めてて、だから星座とかあるんだから、きっとギリシャやローマの時代じゃないかな?」「望遠鏡で星を見始めるのがガリレオの頃だから、多分そのあたりじゃない?」いろいろと考えるかもしれませんが、答えは何と1995です[4][5]。なんと平成になってから。随分と最近なんですね。なんでこんなに最近になるまで見つからなかったのでしょうか。

第二の地球3

一言で言うと「見えないから」です。僕たちが見ている、火星や木星といった太陽系内の惑星の光は、火星[6]や木星に当たって反射した太陽の光です。でも「自分で輝いている星」自体が点の大きさでしか見えないような遠さで、「近くの星の光を反射した惑星」の光が見えるはずがありません。宇宙では「自分で光を放っていないもの」を探すのはとてつもなく難しいことなのです。太陽系外惑星の発見には相対性理論を利用した方法など、極めて難しい手法を用いないといけませんでした。直接太陽系外惑星(候補)が観察されたのは何と2008年です(右側の四角の中のアップが写真中の右下の部分です)[7]

第二の地球4

 

さて、太陽系外の惑星が見つかってくると、太陽系の惑星たちが「宇宙における典型的な惑星」でもなんでもないことが分かり始めました。例えば「ホット・ジュピター」と呼ばれる、木星よりも巨大で、水星よりも内側の軌道を回るような惑星が、宇宙にはたくさんあることが分かりました[8]。地球は365日かけて太陽の周りを一周しますが、ホット・ジュピターはなんとたったの数日で太陽[9]を一周してしまうものも珍しくありません。

ホットジュピター

また、「エキセントリック・プラネット」と呼ばれる惑星もたくさん見つかっています。太陽系の惑星は、おおよそ太陽を中心とする円軌道を描いて周っています。しかし、エキセントリック・プラネットは、とても細長い楕円軌道を描きます。そのため、太陽に近い場所、写真では左端、に惑星がいる場合には灼熱の星に、逆に太陽に遠い場所、写真では右端、にいる場合には極寒の星なってしまいます。しかも、こうした惑星は決して少数ではなく、見つかっている太陽系外惑星の大半がこのエキセントリック・プラネットなのです。僕たちのいる太陽系の方が、実は極めて珍しいタイプの惑星かもしれません[10]

エキセントリックプラネット

 

さて、最後に「第二の地球」と「地球外生命」について簡単に触れて終わりにしたいと思います。太陽に近い星において、形成される惑星の形と軌道についてシミュレーションをしてみると、下のようなグラフが得られました[11]。グラフの黄色で囲んだ範囲が「生命が生まれる可能性のある惑星」です。意外と多そうですね。

第二の地球5

系外惑星は、どうしても大きい惑星の方が見つけやすいので、地球ぐらいの小さいサイズの惑星は見つけづらくなってしまいます。なので、見つかっていないだけで、宇宙には地球のような惑星がたくさんあるのかもしれません。

 

 


[1] 写真は「軌道を逆走する系外惑星WASP-17b」http://www.astroarts.co.jp/news/2009/08/14wasp17b/index-j.shtmlより引用

[2] 写真は「宇宙人のイラスト・素材画像集」http://matome.naver.jp/odai/2128400904695200701/2128772471735295303より引用

[3] 過去にはいた可能性もありますし、あるいはバクテリアのような非常に小さい生物が星の内部にいる可能性はまだ残されているでしょうから、このような書き方をしました。

[4] パルサーによる観測は除いています。

[5] 写真は「Wikipedia:ペレロフォン(惑星)」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AC%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3_(%E6%83%91%E6%98%9F) より引用

[6] 写真は「宇宙情報センター 火星」http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/mars.htmlより引用

[7] 写真は「ハッブル宇宙望遠鏡、系外惑星を初めて撮影」http://www.astroarts.co.jp/news/2008/11/14hubble_fomalhaut/index-j.shtmlより引用

[8] 写真は「ホット・ジュピターを語る」http://www.astronomy.orino.net/site/kataru/galaxy/exoplanet/hot_jupiter.htmlより引用

[9] ここでいう「太陽」は「その惑星における恒星」の意味で用いています。以降も、太陽系外についての話で「太陽」という語を用いたら、それはこのような意味だと考えてください。

[10] 「見つかっている」太陽系外惑星はランダムなサンプルとは言えないので、今まで見つかっている太陽系外惑星にエキセントリック・プラネットが多いからといって、それが惑星全体においても大多数だとは必ずしも言えないので、こういう中途半端な書き方になっています。

[11] 写真は「生命惑星学へ 惑星のなりたちから生命を考える」http://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/053/research_11_2.htmlより引用

シータ 東京大学大学院総合文化研究科 博士課程3年

文化の研究はしてません。やってることは物理です!

@Perfect_Insider

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